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「どうなってるんだ?」
片山は振り返る。そこには動揺を隠し切れない柴山と、同じく動揺するAD三浦。三浦はハンディタイプのカメラを担いでいた。この三人がこっそりと<煉獄>に向かったのは、三浦が「番組がどうしてダメになったのか、一応記録に残したいんですよ。ほら、二つの呪われた殺人、そして消えたスタッフ10人は何処に!? という具合にです。あははっ もしかしたら別の特番とかで特集でつかえるかもしれませんから。これだけヤバい放送事故も中々ないですから」と、リポーターとして片山と、万が一のことを考えて柴山の二人に協力を頼んだのだが……
<煉獄>に向かう途中、向かっていた<煉獄>方向から、凄まじい銃声と悲鳴が聞こえたのだ。
役場の前は騒然としていた。
訳が分からぬまま始まったゲーム。しかもそのゲームは生と死を賭けた、ふざけたゲームだ。誰も納得しきれず、顔を見合わせたりブツブツ呟いている。
鳥居はとりあえず参加者たちに「念のため余った十字架をわれわれスタッフに提供してもらえませんか?」と提案し、一応全員分は十字架が回った。だがこれからどうしたらいいか分からない。
「10分か」
神野が時計を見て呟く。
「マジっすかね? あの生き残りゲームってヤツ。神野さんはどう思います?」
小さく声をかけたのは、<こんぴら>の近藤だ。神野の後ろにはいつの間にか<こんぴら>の二人とタレントの三上が来ている。
「いやぁ……俺たちで考えてみたんスけどね…… これって実は大掛かりなドッキリじゃないですか?」
「ドッキリ?」
周りを警戒しながら、神野は答えた。<こんぴら>の二人と三上も神野に頭を寄せる。
「確かに。あんな馬鹿なことありえるはずないっスよ。これ、絶対ドッキリですよ」
「うん、私もそう思うんですよ! だって有り得なさすぎじゃないですか」
「フェリーの爆破だって絶対仕込みですって! ありえませんよ! しかもさっきの映像、本当で佐山、夏木氏殺しも本当なら大事ですよ!? 何人殺してるんだって話じゃないですか。いくらなんでもありえませんって! これ、絶対ドッキリですよ」
「そ……そうだな」
神野も言われて頷いた。ここまで常識外な事が起こりえるなんて現実的ではない。だがそれもドッキリだといえば納得だ。
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