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先輩は何も言わず私を優しく抱き締めてくれた。
「由宇」
竜哉が弱々しく私の名前を口にした。
ビクッ。
その声に体が反応する。
私は先輩の制服をしっかりつかんだ。
竜哉を見ることができなかった。
もう疲れていた。
―――心が。
だから私は決断した。
私はゆっくりと顔を上げ、先輩を見ると、先輩は心配そうに私を見ていた。
そんな先輩に私はゆっくりと口を開いた。
「先輩、この間の返事なんですが……」
竜哉の視線が痛いほど感じた。
でも……。
「よろしくお願いします」
そう一言いった。
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