頼りになる小さな掌

25/25
4317人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
その言葉を最後に、ドア越しから離れていく香織の足音が聞こえてきた。 明々後日か……確かその日は凜と芽依の誕生日なんだよな。 えみるさんも遊びに来るのかね。 まぁいいか、とりあえずバイトの準備しなきゃ。 色々ありすぎて破天荒な1日だった気がするけど、本当の1日はこれからなんだよな。 居酒屋で予約が10件もあるから気合い入れて頑張らないと。 よし、やるか。 「香織ちゃん」 「絵美さん。兄ならもうバイトに行きましたよ」 「そっか、良かった」 「なんで誕生日のこと隠していたんです?」 「ちょっと、ね……。誕生日の時には良い思い出が無いから……」
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!