始まりの出会い

4/6
前へ
/14ページ
次へ
***  少女がしばらく浮遊していると、さっき海に落ちたアンリが前から3番目の船の所にちょうど船にしがみ上がった。  (あーぁ巻き込んでしまった。はぁ……飴が美味しそうだからついついやってしまった。) 「よく着いてきたね。」 「あんたがお菓子を盗んだからでしょ」  びしょ濡れに濡れた茶髪の三つ編みのアンリがそう言う 「あぁそうかそうか。しかし、巻き込んでしまったようだ…」 「はぁ!?何を言っているの」 「この船の事だよ」  今乗っている所を指す。 「えっ!?」 「この船である島へ向かっている。言っちゃ悪いが私は此処にいる奴らの中でこのルートについては良く知っているつもりだ」  遠く見つめながら少女はそう言う。 「へぇぇ。本当かしら。そんな事よりもお菓子を返せ」 「悪いな。お菓子は貴重だ。仕方ない1つ君に渡そう。」  少女は布袋からキャンディーが幾つか入ったミニ袋を出した。 「ちょっと…元々私のよ」  口を尖らせて言ったのは少女の目の前にいるアンリ。 「そんな事より巻き込んですまない」 「だから意味が分からない」  少女はじっとアンリを見つめた。 「見たところ君はNPCではないようだね」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加