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少女がしばらく浮遊していると、さっき海に落ちたアンリが前から3番目の船の所にちょうど船にしがみ上がった。
(あーぁ巻き込んでしまった。はぁ……飴が美味しそうだからついついやってしまった。)
「よく着いてきたね。」
「あんたがお菓子を盗んだからでしょ」
びしょ濡れに濡れた茶髪の三つ編みのアンリがそう言う
「あぁそうかそうか。しかし、巻き込んでしまったようだ…」
「はぁ!?何を言っているの」
「この船の事だよ」
今乗っている所を指す。
「えっ!?」
「この船である島へ向かっている。言っちゃ悪いが私は此処にいる奴らの中でこのルートについては良く知っているつもりだ」
遠く見つめながら少女はそう言う。
「へぇぇ。本当かしら。そんな事よりもお菓子を返せ」
「悪いな。お菓子は貴重だ。仕方ない1つ君に渡そう。」
少女は布袋からキャンディーが幾つか入ったミニ袋を出した。
「ちょっと…元々私のよ」
口を尖らせて言ったのは少女の目の前にいるアンリ。
「そんな事より巻き込んですまない」
「だから意味が分からない」
少女はじっとアンリを見つめた。
「見たところ君はNPCではないようだね」
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