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「ああ。前から思っていたけど椿には毛皮が似合うね。本当に椿みたいに綺麗な淫乱女は見たことがないよ」
恍惚とした表情で織田さんは毛皮を撫でた。
毛皮のせいで暑いのにブルリと身体が震える。
沢山喋らせた方がいい。この状況はヒントが、あまりにもなさすぎる。
「最初は山村会長に言われて椿に近づいたんだ。椿と結婚したらうちの会社に多額の融資をしてくれるって言われてね。なんでも長男が政界に進出するとかで認知した愛人の子の存在をできるだけ遠ざけたかったみたいだね」
私の苗字は山村だ。あの男がDNA鑑定を受けてからそうなった。
邪魔になるなら、最初からそんな事しなけりゃ良かったんだよ。
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