ルビー・チューズデイ

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トイレのドアは鎖のせいで閉まらない。ドアの裏側が鏡になっている。 織田さんの気持ち悪さがこんなとこにもと思って笑えた。 下半身剥き出しにしてトイレの鏡の前で何を考えるんだろう? 鏡には毛皮を着た私が映っている。織田さんの事あまり言えない。髪はぎとぎとしてるし、目ヤニが目尻にこびりついている。唇もガサガサだ。 だからあんな夢見たんだ。 よくもまあ、こんな物に執着できるなあって思う。 足枷のせいで、織田さんの大好きな足首も悲惨な事になっている。カッターで引いた線みたいな傷が数カ所。 もっと汚れたら、織田さんも捨てる気になるだろうか? 自分の思い通りにならないドールを。
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