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「椿、何で笑ってるんだ?」
「なんかおかしくなって」
「なあ、椿、足枷外すから、俺と結婚しよう。欲しい物は何でも買ってあげるし、どこにだって連れて行ってあげるから。俺、浮気もしない。何でも椿の言う通りにするから」
「嘘つき」
「え?」
「何でも言う通りにできないから、こんな事してんでしょ? 私の前から消えてよ。一生。今度はお願いしてあげる。ねえ、織田さん早く足枷外して私を自由にして、目の前から消えてくれない?」
織田さんは、訳の分からない事をうわごとのように言いながらまた私を殴って、その弾みで転んだ私の髪を引っぱって無理やり私を座らせた。
ぶちぶちと髪が何本か抜ける音が頭皮に響く。
「ああ。椿、ゴメン。痛かっただろ? あ、金目当てだと思ってるのか? 違うから。本当に大切にするから。俺は椿がいいんだ。椿が好きなんだよ」
「織田さん、大切にするためにこんな事をするの? 説得力ないよ。ねえ、今すぐこんな事やめるなら、警察にも行かないからもう外してよ」
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