第19話

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 きっかけは人の眼だった。 いつからだろうか? 人目を過剰に意識するようになってしまった。 隣近所の視線や、すれ違う人の目つき……なんでだろう? 粘りつくような眼差しに見えてしょうがない。それとも……みんなが私を見ているという錯覚に、取りつかれてしまったんだろうか? 特に隣の栗田さんちの美樹子さん。私を偵察するような姿勢や態度……前から、いけ好かなかったけど、今は腹立たしく、文句なしに嫌いだった。 でもその理由が徐々に分かり、魂では懺悔した。 反面……憎い、憎い、憎い!! あぁー憎い!!!! 叫びたいほど、憎しみが溢れ出した。 殺してやりたい…… 破滅に追い込んでやりたい衝動に駆られた。 でもそんなことは気持ちの上でだけ。 だって、そのボーダーラインを超えたら、もうブレーキは掛けれそうにもないもの。 でもこうなったのは、お前達が私の前に現れ、気持ちをズタズタにし、土足で踏み込んだせいだ。 私を怨むなんて御門違いもいいとこ。 自分の容姿を振り返れよドブス! お前ら家族、本当……邪魔。
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