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「由宇。あの……」
何が言いたげな先輩に不思議そうに首を傾げていると
「抱き締めてもいいかな?」
恥ずかしそうに少し顔を赤らめていた。
先輩のドキドキが伝染してきたみたいでこっちまで顔が熱くなる。
「そんな改まって言われると恥ずかしいですよ」
「ごめん」
恥ずかしそうに俯く私に謝りと、ゆっくりと先輩が近づいてくるのが分かった。
思わず身構えて目をギュッと瞑る。
瞬間、フワッと先輩のいい香りがして私を胸にすっぽりと包み込んだ。
温かい……。
トクントクンと規則正しい先輩の鼓動が心地よく伝わってきた。
先輩の背中に腕をまわすと、それに気付いた先輩の腕に少し力が込めてきた。
「ありがとう」
先輩が私を抱き締めながら言った。
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