答え

11/12
前へ
/35ページ
次へ
「由宇。あの……」 何が言いたげな先輩に不思議そうに首を傾げていると 「抱き締めてもいいかな?」 恥ずかしそうに少し顔を赤らめていた。 先輩のドキドキが伝染してきたみたいでこっちまで顔が熱くなる。 「そんな改まって言われると恥ずかしいですよ」 「ごめん」 恥ずかしそうに俯く私に謝りと、ゆっくりと先輩が近づいてくるのが分かった。 思わず身構えて目をギュッと瞑る。 瞬間、フワッと先輩のいい香りがして私を胸にすっぽりと包み込んだ。 温かい……。 トクントクンと規則正しい先輩の鼓動が心地よく伝わってきた。 先輩の背中に腕をまわすと、それに気付いた先輩の腕に少し力が込めてきた。 「ありがとう」 先輩が私を抱き締めながら言った。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加