初彼

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あれからしばらく先輩は私を抱き締めたまま動こうとしなかった。 「先輩……ちょっと苦しい」 次第に強まっていく先輩の腕の力に思わず声をあげた。 「ごめん!―――つい嬉しくて」 私の声に先輩は我にかえって私を解放してくれた。 私は息を整えながら先輩を見た。 すごく嬉しそうな先輩。 その顔を見るだけでも心が温かくなるのが分かった。 この人を選んでよかったって本当に思えた。 .
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