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「先輩、部活に行かなくてもいいんですか?」
そういえば、と思い出して聞いてみた。
先輩は慌てて携帯で時間を確認すると「やべっ」と一言。
その慌て方が可愛くて思わず笑ってしまった。
「今日、部活終わるの遅くなるけどメールするから」
まだ繋がれたままの手。
そう言いながらもなかなか離そうとしない先輩。
「メール待ってますね。行ってください。遅れますよ」
渋々、手を離したと思うともう一度私を抱き締めた。
急なことに動揺する私に「あとで」と言って走っていった。
私は呆気にとられながら先輩を見送ると一人、笑ってしまった。
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