1章オウルの使い魔

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ティラは、注意深くカプスを観察した。 カプスには、隙がない。 儀式の最中で武器を持っていないために対抗は無理だと判断する。 「貴方は、私を殺しに来たのね?」 先程の攻撃を見る限り、カプスは本当に自分を殺しに来たのだと結論付け、ティラは慎重に言葉を紡いだ。 カプスが、口許を吊り上げる。 「どちらかというと、そこにいる栗鼠を始末するのが僕の役目でね。君は、そのついでだよ」 「そういうこと。なら、この栗鼠がいなければ私は狙われないということね?」 ティラは、ロウを掴もうと手を伸ばす。 しかし、ロウはその手をすり抜けて、ティラと距離を置いた。 「そうだな――君があの話を聞いていなければ殺す必要はないのだけれど」 カプスが、答えを返す。 「うるさい。裏切り者に応える義理などない!」 ロウが、怒鳴る。
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