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「監督聞いたよー」
「なんだよ内海、藪から棒に」
「昨日、えりっちとデートしたんだって?」
「な、何で知ってるの?」
「えりっち本人から聞いたよ。凄く楽しそうに話してた」
「ちょっと上坂のところへ行ってくる!」
「それでさ監督、私とも今度……って、あー行っちゃった」
「上坂!」
「あっ監督! お疲れ様です」
「お疲れ様。あのさ、昨日のことなんだけど」
「デートのことですか?」
「ちょ、ちょっと! 気軽にそんなこと言っちゃダメだよ!」
「なんでですか?」
「なんでって。変な噂が立つと上坂も嫌だろ?」
「私は平気ですよ。監督は嫌ですか?」
「嫌っていうか、上坂に対して悪いかなって」
「だから私は平気ですって。それに、ちょっと嬉しいかも」
「嬉しい?」
「はい。私、こういう恋愛沙汰とは無縁だったから」
「まぁなんとなくわかるよ。上坂は弟一筋だからね」
「はい! 昨日も帰ってからですね、弟にビシっと言ったんですよ」
「なんて言ったのかな?」
「私にお兄さんが出来たよって」
「え?」
「だから、今度は三人で遊びに行こうねって!」
「……あのさ上坂。そのお兄さんって」
「はい! 監督のことです!」
「……」
「監督は私のお兄さん! いえ、兄以上の大切な人です!」
「そ、そっか。ありがとう」
「だからその、監督。またデートしてくれますか?」
「あぁ。僕でいいならいつでも」
「本当ですか!? じゃあ今日! 今日の練習帰りにデートしてください!」
「えっ?」
「今度弟と行く予定のお店があるんですけど、監督で予習してもいいですか?」
「か、構わないけど」
「やった! じゃあ練習後、待ってますね。お兄さん!」
「あ、あはは。まぁいいか」
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