シーン3からシーン4までの間

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「うぅ、寒い」 「そうですね。ついこの間まで暑かったのに」 「お店に入っている間に日が暮れちゃったし、そろそろお開きかな?」 「監督! 私、朝行った公園にもう一度行きたいです!」 「いいけど、あまり遅くなるとご両親が心配するから」 「わかっています。けど、どうしても監督と夜景が見たいんです!」 「わかった。じゃあ行こうか」 「……監督、寒いですか?」 「あぁ。ポケットから手を出したくないくらいには」 「もう。ダメですよ? お手手はちゃんと出してないと」 「お、急にお姉ちゃんっぽくなったな」 「寒くても我慢ですよ。監督」 「わかった。上坂の言うとおりにするよ」 「とは言っても、私も寒いです」 「そりゃそうだよね」 「そこで監督、提案なのですけど」 「なにかな?」 「手を繋ぎませんか?」 「……え?」 「寒い時、よく弟の手を握って歩いてるんです」 「へぇ」 「だから、監督もやりましょう」 「いいよ。恥ずかしいし」 「でも寒いですよね?」 「我慢する」 「ダメです! お姉ちゃんが許しません!」 「お姉ちゃんって。僕は上坂の弟じゃないよ」 「いいんです。監督はお兄さんですから」 「お兄さん? 僕が?」 「はい! 優しくって、頼りになって、サッカーを教えてくれる、自慢のお兄さんです!」 「あはは。なんか恥ずかしいよ」 「だから、その。兄と姉ですから、手を繋いでも問題ないですよね?」 「兄と姉って。現実的に言うと、僕が兄なら上坂は妹になるんだけど」 「とにかく、手を繋ぎませんか?」 「……わかった」 「ありがとうございます!」 「……温かい」 「はい。それに、監督って手が大きいんですね」 「そうかな?」 「はい! 弟と全然違います!」 「そりゃそうだろうね」 「……」 「……あのさ、上坂」 「はい」 「この状態って、傍から見ると恋人だよね。兄と姉ってより」 「……」 「上坂。顔、赤いけど」 「き、気のせいです!」 「そう?」
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