始まりの丘へ

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僕が出会った少女は、この世界を救う巫女だった。彼女は災厄から世界を守るために、世界に散り散りに祭られている輝石を解放しなければならないという使命を与えられた。 世界に暗黒が広がったのは、もう数週間前で。暗黒の発祥地は、僕が育った村があった場所だった。今は闇に覆われ、誰もその地に踏み込めなくなってしまっている。 僕は、暗黒の渦が生まれるその瞬間、家族や村の人と一緒にそこにいた。家族が僕を囲うように、闇から僕を守った。そうして、僕は助かったらしい。 気付いたら、王宮のある街の入院施設のベッドの上だった。 王様から聞くに、村の生き残りは僕だけだ。家族も村の人達も、皆生まれた闇の中に吸い込まれてしまい、姿も形もなくなってしまったという。僕は信じられない思いでその話を聞いていた。 僕は知りたかった。僕が育った村が今どういう状態になっているか。そして、少しの希望もあった。もしかしたら、僕の他にもまだ助かっている人が居るかもしれない。 僕はそうして、あの始まりの丘に向かったんだ。 そうして彼女と出会った。彼女と初めて出会った場所。全てはここから始まっていたんだ。うぅん。もしかしたら、もっと前から始まっていたのかもしれない。
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