6/16
前へ
/137ページ
次へ
1年半 私は必死だった。 花園に支えられてその時できることを必死にこなして 深夜に帰宅したときにはぐったりでリビングでそのまま眠ってしまうこともあった そんなときでも花園は、私を抱き抱えて寝室に運んでくれたり 私の身の回りのことを全てしてくれた。 「花園ってさぁ・・・恋人いないの?私と暮らしてて恋愛できないわよね」 「恋愛など・・・私はサクラが一番大事ですから」 今日もぐったりとソファにたおれこんだ私の足からパンプスをそっと脱がせながらクスクスと笑って 「咲良、あなたが好きなんです。モデルとしてあなたがのぼりつめることが私の夢であり・・・恋愛です」 「・・・変なの。」 このときはわからなかった 彼から注がれる惜しみない愛情は、このときからずっと 私のためだけのものだったなんて
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加