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司狼くんがまた私だけを見てくれるように、わざと母校での写真撮影を持ちかけて、彼女と接触した まだまだ幼くて ちょっと揺すれば 不安に飲み込まれて ほら、簡単に壊せる。 適当な嘘をついて、二人でいたところに泣きついて彼にしがみついた瞬間の 彼女の泣きそうな顔に ちくりと胸が痛んだ でも、こうでもしないと司狼くんは帰ってこないと思っていたの 降りだした雨の中、私を追いかけてきた彼 勝ったと思った だけど、彼は私を花園の所に連れていって消えた 「サクラ、彼は大切なものを見つけたんですよ」 「・・・わ、私は?だって・・・あんなに好きだって!」 隠れてキスしたことも 手繋いで歩いたことも 初めてふれあった日のことも全部 昨日のことのように鮮やかに覚えているのに
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