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『前から聞きたかったんやけど、なんでこんなに部屋の中殺風景なん?』
『必要最低限のものしか置いてねぇから』
あいつに、そう答えたけど。
彼女との記憶があるものを全て捨てたから。
そしたら、俺のものなんてほとんどなくて。
この部屋がかわいそうなくらい物がない。
『・・・こ、これ・・・買ってもいい?』
ツインテールを揺らして俺の顔を覗く、ウサギ。
手に持っていたのはウサギの形のフワフワしたクッション。
『・・・俺の部屋に!?』
『やっぱ・・・やめとく』
しょんぼりしてクッションをもとの場所に戻そうとするけど、俺はそれをさっと奪って
『お前いないときはこれ、俺のもんだからな』
って言って会計に向かった。
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