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部屋に戻ってきた彼女が、クレンジングと缶ジュースを渡してくれた。
「あのマンションに住んでいる外人さん、鈴蘭女学院高校の先生だよね?」
私は思わず俯く。
「あのバイク屋、あたしのおばあちゃんのお店なの」
「うそっ…」
あのド派手な店主が、この上品な早乙女さんのおばあちゃん!?
「だから少しだけ話を聞いたことがある。先生の所に若い女の子がよく訪ねて来るって。ご近所で噂になってるらしいよ。先生カッコいいし、容姿も目立つから…」
「噂に…」
私とアランの事が…もう噂に…?
「さっき…別れたの。私達遠距離で付き合ってたの。まさかアランが鈴蘭女学院に赴任するなるなんて思わなかったから…だから…」
「そう、遠距離だったの?あたしも今遠距離なんだ。遠距離って寂しいよね。やっと一緒にいられることになったのに、別れるなんてもっと寂しいね…」
彼女の言葉に涙が溢れだす。
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