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「滝沢先生おはようございます」
明るい笑顔で美希が俺に挨拶した。昨日のことも、俺達のことも、全部吹っ切れたような明るい笑顔だ。
「あっ、おはよう」
「「滝沢先生、おっはぁー」」
真下姉妹が仲良く声をハモらせる。
「滝沢先生、目が赤いよ。瞼腫れてる。イケメン台無しだよ。どうしたの?」
真下に問われ、俺は目を擦る。
「睡眠不足なだけだ。他校の男子とペチャクチャ喋ってないで、早く教室に入れ」
「流星、放課後ね」
「おぅ、正門で待ってる」
放課後?
正門?
美希の言葉に愕然とする。
やっぱりアイツと付き合ってるのか?
昨夜の涙は、何だったんだ?
俺は美希を目で追う。
美希は俺と視線を合わすことなく、スッと横を通りすぎた。
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