★灰☆

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俺の心の中を、冷たい風が吹き抜ける。 これでいいんだ。 俺が『別れる』と言ったんだ。美希が誰と付き合ってても咎める資格はない。 地面を見つめガクンと項垂れる。 「おはようございます。あれ、滝沢先生今朝は暗いですね?どうかしました?」 「おはようございます。貴島先生、今朝はやけに明るいですね」 「はい、昨日彼女にプロポーズしたら、見事花丸です。オーケーもらいました」 花丸!?オーケー!? 俺は昨日美希と別れたんだよ。同じ日にオーケーもらうなんて、天国と地獄だな。 「彼女はまだ大学生ですけど、星野先生拝見していたら、それもアリかなって。彼女は学生結婚になりますが、今の気持ちを大切にしたいって思ったんです」 「…はぁ」 人のノロケ話がこんなにつまらないとは思わなかった。俺、かなり病んでるみたい。
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