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俺の心の中を、冷たい風が吹き抜ける。
これでいいんだ。
俺が『別れる』と言ったんだ。美希が誰と付き合ってても咎める資格はない。
地面を見つめガクンと項垂れる。
「おはようございます。あれ、滝沢先生今朝は暗いですね?どうかしました?」
「おはようございます。貴島先生、今朝はやけに明るいですね」
「はい、昨日彼女にプロポーズしたら、見事花丸です。オーケーもらいました」
花丸!?オーケー!?
俺は昨日美希と別れたんだよ。同じ日にオーケーもらうなんて、天国と地獄だな。
「彼女はまだ大学生ですけど、星野先生拝見していたら、それもアリかなって。彼女は学生結婚になりますが、今の気持ちを大切にしたいって思ったんです」
「…はぁ」
人のノロケ話がこんなにつまらないとは思わなかった。俺、かなり病んでるみたい。
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