★灰☆

24/25
前へ
/25ページ
次へ
【美希Side】 アランのことを意識しないで毎日を過ごす。そんなことは到底無理な話。 だって私の目の前に、今もアランはこうして存在しているんだから。 『同じ学校にいても遠距離』 早乙女さんの言葉を思い出す。 そうだよね、アランを傍で見ているだけでいい。恋人ではなくなったけど、想いを寄せるのは自由だ。 教室の窓からアランを見つめる。アランと視線が重なり、慌てて背中を向ける。 ドキドキ…ドキドキ… 付き合っていた時とは、違う感情が沸き上がる。 私の片想い…。 ――朝のホームルーム。 課題は六月の球技大会。 アランは平気な顔で、教壇に立っている。 「六月のクラスマッチ。A組のキャプテンは葉月でいいな」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加