201人が本棚に入れています
本棚に追加
【美希Side】
アランのことを意識しないで毎日を過ごす。そんなことは到底無理な話。
だって私の目の前に、今もアランはこうして存在しているんだから。
『同じ学校にいても遠距離』
早乙女さんの言葉を思い出す。
そうだよね、アランを傍で見ているだけでいい。恋人ではなくなったけど、想いを寄せるのは自由だ。
教室の窓からアランを見つめる。アランと視線が重なり、慌てて背中を向ける。
ドキドキ…ドキドキ…
付き合っていた時とは、違う感情が沸き上がる。
私の片想い…。
――朝のホームルーム。
課題は六月の球技大会。
アランは平気な顔で、教壇に立っている。
「六月のクラスマッチ。A組のキャプテンは葉月でいいな」
最初のコメントを投稿しよう!