起:初めての恋

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起:初めての恋

 「永遠って何だろうな……」  満天の星空を見上げながら、煙草の煙をゆっくり吐き出してあの人は私に尋ねた。  私から見たら、とても大人な人。  それなのに、大人なあの人のことを……この瞬間、なぜだか抱き締めてあげたいって思った。  だって、涙が出ちゃうんじゃないかなってくらいに寂しそうな表情を浮かべていたから――  まだ、子供だった私が、中学2年生だった私が抱いた、初めての感情。    『抱きしめてあげたい』  これが本物の「恋」だってことを。  愛に限りなく近い恋……だからこそ抱いた感情だってことを、後になって気がついた。  ――ねぇ、永遠の答えは見つかりましたか?  私はまだ、その答えを見いだせそうにありません。
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