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魔方陣のあたりには
青白い光が現れ
次々とプレイヤーが現れていく。
おおー!すごい!まじかよ!現実だ…
興奮した声が様々なところから
聞こえる。
そりゃ興奮するよな。
相葉は驚くプレイヤー達を見て何やら
満足そうにしている。
ウィンドウには
【ステータス】
【スキル】
【バッグ】
【mail】
【フレンド】
などいくつかの項目があるが
相葉がウィンドウに目を戻すと
【mail】のタブが点滅していた。
「あれ、メール…GMか?」
【ようこそ!】などという
くだらない挨拶メールだろうか…。
一応確認はしておこうと
メールのウインドウを
タップしようとした…
その瞬間、目の前に
青色に輝きが現れた。
思わず数歩後退。
イベントかと思ったが
ログインしてくる
プレイヤーのものだと
すぐに悟った。
初対面の人間がいきなり
目の前にいるというのは
相手を驚かせるかもしれない。
夢の中とはいえ
俺も気まずいのは変わらない。
さらに数歩、後退する。
青白い光は輝きを失ないながら
プレイヤーの原型を形成する。
その瞬間
相葉は恐怖を感じた。
ー来てはいけないものがくるー
強くそう思った。
一瞬にして冷汗をかいたことに気付く。
なぜだかは、わからない。
そして
相葉は目の前に
現れたキャラクターを見て驚愕する。
現れたのは女性プレイヤー…
光は失われたはずだが
それを上回る違う輝きを
見た気がした。
大きな瞳にかかる長いまつ毛は
さらさらと音を立てそうだ。
艶やかな髪は
指が絡むことを知らないであろう。
それなりに身長もある。
それでいて一見、小柄に見えるのは
身長は足が稼いでいるからだろう。
顔…小っさいな…。
細身なのに関わらず
貧相さは全く…
それどころか気品の固まり…
可憐という言葉で足りるだろうか。
相葉の視線は
完全に奪われてしまった。
「んー…やっと寝れたかあ…」
女はそう言うと軽快に
指をパチンと鳴らした。
そしてウィンドウを
開きなにやら操作している。
この子…
ウィンドウの開き方を
知っている…
それに大分
慣れているような手付きだ…
ゲームの操作の詳細は
初めてのプレイヤーは知らないはずだ。
ここから
町の商店街に進もうとすると
強制的に発生するチュートリアルクエストで
初めて説明されるのだから。
その女性プレイヤーにカーソルを当てクリックする。
指をさし宙をつつくような動作である。
相手のlevelやHPこそは見えないが
相手の名前だけは見ることが出来る。
【AILI】
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