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「前に…どっかで
あったことある…
かな?」
するとAILIは相葉に
にこっと笑顔を見せた。
相葉はその笑顔の意味が
よくも分からず
にこっと微笑を返す。
「ないと思うけど!
とりあえずさ、始めましてだけど
フレンドよろしく!」
ピピピ…っとAILIがシステムウィンドウを
手早く操作すると相葉のもとに
フレンド申請の通知が届く。
【AILIさんからのフレンド申請です。
承認しますか?】
「えっ…フレンド…??」
フレンドになれば、居るエリアや
職業・所属ギルドが
離れていても常に分かる上に
メールでの連絡も常にとれる。
ただのオンラインゲームの
アバター情報が
筒抜になるわけではない。
この世界に存在する
「自分」の情報が筒抜に
なるのだ。
互いに監視も
しあうこととなるので
フレンドは
なかなか深い関係で
あることを意味する。
いきなりの展開に
目を点にしながらも
ここで抜からないのが俺だ。
承認ボタンを押す。
「よ、よろしく。」
相葉が握手を求めると
AILIはそっぽを向いて目線だけを
相葉にやった。
「もう私のこと
変な目でみないことね…」
……
「もしものことがあればフレンドで
ある以上、【追放】するから。」
「…ハ…ハハハ…」
えーと…
なるほどなるほど…
つまりこういうことか。
ログインした途端、いきなり
目の前にいた男キャラの俺が
カーソル合わせて凝視していた。
怪しいやつだ、と
いつでも追放可能になるように
フレンドになったわけだ。
ふむふむ
いや、納得してどうする。
確かに凝視はしたし
怪しかったのは認めよう。
だがどうだ?
俺は何もしていないのに
この言われよう…
少しばかし
やりすぎじゃないだろうか。
ゲーム開始早々、変な噂話が流れて
【変態】
なんて職業がステータスに付いたら
たまったものじゃない。
「いや、それは誤解してるよ。」
「じゃあ、何階とでもいうつもり?」
う…
もしやこの女、
外見を裏切るタイプか。
困った。困ったぞ。
「まぁいいわ。
一言だけ
言わせてもらうけどー…」
なんだ…
なんなんだ…
もう
一言以上言っているのに…
なんなんですか
この子は!
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