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はじめての
フレンド登録をした
相手がまさか
追放という防衛策のためで
あったとは
幸先が悪いな。
「2度と近寄らないでね。」
としかめっ面で相葉に
言い捨てた後、
AILIはNPCショップの方へと
姿を消していった。
相葉がしばらく
放心状態になったのは
言うまでもない。
相葉はチュートリアルを
無視して
始まりの都ウエルシアの
一番近い狩場となる
フィールドに出ていた。
「はぁ~…
ここはとりあえず
狩でもして
発散するかね。」
街でアイテムを
買い揃えるまでもなく
このエリアに出現する
モンスターのレベルは低い。
回復の必要もなければ
初期装備で充分である。
相葉はそれを知っていた。
「冒険者の片手剣…
チープな
ネーミング…。」
このゲームには
職業が存在する。
ログイン時に設定を
するのだが
相葉は剣士を選択していた。
悩みはしたが
転職は可能なので
格好が良く
ソロプレイにも向いている
剣士を選んだのだ。
剣を握りしめ
相葉はフィールドを
駆け始めた。
2度と近寄らないでね、か。
自意識が過剰なんだよ…。
普通の高校生が
現実で握る刃物なんて
精々
気が向いた時にする料理での
包丁くらいだ。
相葉の向かう先には
小さな猪が2体いる。
草食なのだろうか、
地面に生い茂る草に
顔を埋めている。
剣を縦横無尽に振り回し
モンスターを倒すことで
先ほど蓄積された
ストレスの発散をしよう。
その目的での狩りとなる。
「さぁいこうかあ!」
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