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足を絡ませ
思わず膝をつき
地面に倒れ込む女に
4足で駆け抜ける
まさしく狼が飛び掛かった。
「やめてーーーー!!」
キュイーーーン…
片手剣初期スキル
【オーガストライク】
突きスキルのアシストに
より相葉は加速、
剣の切っ先は狼の脇腹を捉え
吹き飛ばした。
狼の刃は女プレイヤーに
あと少しのところで届かなかった。
狼をクリック。
【シャドウウルフ LV5】
LV5…
やっぱ
ウルフ系とはやっちゃ
ダメだったかな。
少なくとも
俺1人では絶対に
敵わない。
「大丈夫かな。キミ戦える?」
だが
2人でなら
可能かもしれない。
「………………のよ…。」
「え?」
「なんで………るのよ。」
「ごめん。上手く聞こえない。」
女は膝と両の手のひらを
地面について
固まっていたが
勢い良く立ち上がり
そして叫んだ。
「なんでここに
もうプレイヤーがいるのよー!
誰もいないと思って
叫んじゃったじゃない!」
「え…いや…
助けてって言ってた…え??」
「バカみたいな声出してるとか
思って聞いてたんでしょ?!
やだ!
アンタ!今の忘れ……
あ……。」
「あ…。」
まさかの再会だ。
勇気を振り絞り
勇敢に助けたヒロイン的
女プレイヤーは
先ほど俺に
追放するぞと脅しをかけた
あのAILIという
女プレイヤーであった。
「アルリ…!」
とんでもない子を
助けてしまった。
どうやらAILIも俺に気付き
逃げ惑い惨めな悲鳴を
聞かれたことを
再度認識したのだろう。
顔が次第に赤くなっていく。
「アンタ!さっきの!
もう近寄らないでと
言ったはずよ!
まさか…ストー…」
「まてまてまて。
おしゃべりしてる暇、
今はないんじゃないか?」
助けてやったところに
ストーカー呼ばわりなんて
されてたまるか。
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