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やはり
サービス開始日なだけあって
始まりの都
ウエルスタはにぎわっていた。
見ている限り
年齢、性別は幅広く
俺と同い年くらいの
プレイヤーと何回か
すれ違いもした。
どのようにして
150万もするこのゲームのハード、
PIOを購入したのやら。
NPCは青色のアイコンが頭上に
立っているため、
プレイヤーとの区別は
一目瞭然である。
こんなにもプレイヤーがいる。
俺と同様、一体どれだけの人間が
リアルでのスケジュールを放棄し
平日の昼間からプレイヤーとして
この夢の世界に来ているのか。
「どうやら臨床試験はいくつかの
場所で開かれていたようね。」
NPCショップでの
買い物ウインドウを開き
何かを買うつもりなのか
スクロールしながら
アイリが言う。
その横顔の綺麗さに
見とれてか
つい返事が遅れる。
澄んだ瞳に
くっきりとした二重。
ベージュ色に近い髪は
胸ほどまで伸び
くるくると巻かれている。
160センチはありそうな
モデル体型に加え、
なんと言っても
やはり顔が小さい。
「た、確かに俺の会場には10人しか
いなかったからな。試験にしては
少ないと思ったよ。」
アイリがログイン直後に見せた
慣れたシステムの操作についてだが
アイリも臨床試験でのアルバイトを
していたようだ。
「私達も10人だったわ。でも不思議ね。
こっちでも会わなかった。」
「確かに変だな…
同じ日にインしていれば
会っても良さそうだ。
臨床試験はどこまで?」
「ソーマの坂。level10まで。
違うチャンネルが試験ではあった、
ということよね。」
ログイン早々、追放の危機を迎え
またそれをなんとか乗りこえた俺だが
同じ臨床試験者ということで
(チャンネルは別だったようだが)
話は盛り上がり罫線逆転。
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