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つまり、臨床試験で行われたのは
このゲームの体験版。
始まりの町からの序章をすでに俺とアイリは体験しているのだ。
そして多額のアルバイト代と
PIOの記憶媒体であるROMが
受け渡された。
「ソーマの坂のクエストはきつかった。また最初からとなると骨が折れるな。」
すっかり肩を落とすと
アイリは買い物ウインドウから
相葉へと不思議そうに視線を移す。
「メール見た?」
メール?
あぁ…あのGMからのメールか…
そういや見てないな。
ぽかん、と相葉が口を空けていると
相葉がメール未確認なのを理解し
今度はアイリが肩を落とした。
「見てみなさいよ。」
ピピピ
【エブリスタ★オンライン
運営事務局より。
相葉様。エブリスタ★オンライン
ご購入有難うございます。
また、相葉様には臨床試験にて
開発協力をして頂きました。
その感謝の意を込めまして
プレゼントをお送り致します。
<ステータスポイント30>
相葉様は臨床試験でlevel15まで
お試し頂きました。
1levelごとに振り分け可能になる
ステータスポイントは
2ポイントなので引き継ぎとして
そのステータスポイントを
差し上げます。
ご自由にお振り分け下さい。
今度ともエブリスタ★オンラインを
宜しくお願い致します。】
「えぇ?!!」
「驚くでしょ?同レベルでも
臨床試験者はステータスだけでみると
格上ってことになるわ。
PVPじゃ負け知らずね。」
これはもう裏技とかという
次元の話ではない。
スタートから俺はビギナーより
levelが15も上であるということだ。
アイリはlevel10…
ステータスポイント20…
臨床試験者の中でも差がある。
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