序 第1話 オヤスミナサイ。

6/6
前へ
/43ページ
次へ
発売日に関しては 2日前から並んでやっと購入出来た。 さすがに母親には 心配され叱られもしたが PIOを手に入れた喜びで それどころではなかった。 このあまりにも冷酷で 不平等な現実を押し付けてくる 世界から逃げ出し しばしの休憩をとれる世界へと 没頭することが出来る。 相葉はベッドに腰を下ろし 取り扱い説明書に目を通した。 「ふむふむ…始まりの都の 魔方陣からスタートかあ…」 満面の笑みを浮かべながら PIOの横に並べて置いてあった 鉄製の黒いリングを手にして ベッドに腰掛ける。 躊躇なく慣れた手つきで そのリングを半分に分離し その断面にある溝に 先ほどのSDカード、 通称ROMを差し込む。 そして そのリングで首を囲み また一つのリングにする。 まるで ゴツゴツとした首輪のようだが このリングは バーチャルインターフェースの コントローラーに該当するものである。 【VIコントローラー】(ブイアイコントローラー) と呼ばれる代物だ。 相葉はこの日の為に ある薬を入手していた。 弱めの市販されているもので 飲んでから1時間後には 睡魔がくる。 バーチャルインターフェースには 強制的に人を眠らせるシステムはない。 自ら睡眠状態に入ってから 使用が可能になる。 相葉はその薬を二粒、丸のみし ベッドに横たわった。 「いよいよだ。行ってくる…。」 あれ、おやすみなさいかな? 相葉は眠りについた。 ゲームスタート。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加