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「じゃあな、想!!」
「あぁ、また明日。」
下校の時刻となり、想がまっすぐ校門に向かうのに対し、サッカー部の光太郎は練習着に着替え、グランドに走っていった。
「あ、いたいた!想~!!」
明るい声と弾けんばかりの笑顔で、手を振りながら駆け寄る少女。
その声に反応し、振り返った想は、手を軽く挙げ応える。
少女の名は久遠 ユリア(クオン ユリア)。
想の愛する彼女だ。
ユリアが追いつくと、想はユリアと歩き出した。
「見たよ~♪
想、また学年1位だったね~★」
再び頬を赤く染める。
「ユリア~」
「ハハハっ、わかってるって!
ホント、想は昔から変わらないね~」
想を見て無邪気に笑うユリア。
想とユリアは、小さい頃からの幼馴染みで、幼稚園から小・中・高とずっと一緒で、気付いた時には付き合っていた…という感じで、いつから付き合いだしたのかとかは定かではない。
「あーあ、私も瞬君みたいに、想に家庭教師頼みたいよ~」
そう言いながら、プゥと頬を膨らますユリア。
「…じゃ…じゃあ、今度教えるよっ!」
想はユリアを見て、少し焦りながら答えた。
それを聞くと、ユリアはニコッと笑い、想の腕に自分の腕を絡ませた。
「ありがと!想だーい好きっ!!」
「………………」
想は、顔を真っ赤にして、頬をポリポリかいて、青々とした空を見上げた。
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