Act.2 卷人-マジン-

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「おはよう、ユリア」   「おはよう…想。」   次の日…アメリカでどんな大きな事件が起きようと、日本に住む想達には、変わらぬ朝が訪れてた。 想はユリアといつものように待ち合わせをし、登校をしていた。 …しかし、ユリアはいつもより、元気がなかった。   「どうしたの?ユリア…」   「想、昨日のニュース見た?」   ユリアは表情を曇らせている。   「あぁ…昨日はどこの局も、あのテロ事件で持ち切りだったからね…」   想は、ユリアの表情をうかがいながら答えた。   「…………想…私、怖いよ。」   ユリアはうつむきながら言った。 まるで今にも泣きそうな声だ…   「……………」   想は、ユリアの様子がおかしい原因がわかったが、何と答えていいのか、少し考えた。   「………大丈夫…」   「え?」   想が考えた末に、絞り出すように言ったセリフにユリアは反応した。   「大丈夫。…確かにアメリカは大変だと思うけど、日本にまで影響は無いハズ… それに、ユリアがそんな輩に襲われそうになったら…………」   想は、そこまで言いかけて、顔を赤らめ言葉を発するのを止めた。   「…襲われそうになったら?」   ユリアは不思議そうに、想に聞く。   「………襲われそうに……なったら…………ユリアは…オレが…… オレが守るよ!」   「…想…」   顔を真っ赤にして言う想に、ユリアも顔を赤く染め…ほほ笑んだ。   「朝からお熱いね~、お二人さん♪」   「「っ!!!!!!」」   そんな二人の後から、いつの間にか追いついた、光太郎が声をかけ、二人はビクッとした。   「こ・光太郎…いつの間に…」   「へへっ! なぁ久遠さん、想がこう言ってるんだ。元気だしなよ! …オレより付き合い長い久遠さんなら知ってるハズだぜ? 想は、約束を絶対破らない奴だってな!!」   そう言って親指を立てて見せる光太郎。   「光太郎…」   「そうだね…うん! 私、想のそういう所を好きになったんだもん。」   元気を取り戻したユリアは、そう言うと想と腕を絡ませた。 当然想は、光太郎の前でそんな事をされて、卒倒しかけるくらい、顔を真っ赤にさせた。
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