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「もも~。入るよ~」
そう声が聞こえるとノックもしずにお姉ちゃんが入ってくる。
「お姉ちゃんっ。『もも』って呼ばないでっていつも言ってるでしょっ」
「何を言ってんのー。ももはももでしょー」
「むぅ~」
そして、僕の言うことを軽くあしらってお姉ちゃんは僕の寝るベッドの横の椅子に座り、頭を撫でてくる。
いつもいつも反論する僕をお姉ちゃんは
頭を撫でることでうやむやにする。
「よしよーし、ももは可愛いね~」
「…ん。か、可愛いとか言うなぁ」
気持ち良すぎて声がうわずってします。
「お、お姉ちゃん…。今日は…?」
「ふふふ。今日はね~友達にももの写真見せたんだ~」
「えっ?僕の写真!?そんなのいつ撮ったの!」
な、なんで僕の写真を!?
「そんなのどうでもいいでしょー。それより、みんなもものこと可愛いって言ってたよ~」
「か、可愛くないしっ」
「照れんなって~。うりうり~」
お姉ちゃんがニコニコしながら頬をつついてくる。
「ん~」
「ふふふ。……!」
すると、急にお姉ちゃんが椅子から立ち上がった。
「……っ!?お、お姉ちゃんどうしたの…?」
僕の問いかけに答えずお姉ちゃんはシーと言いながらドアまで歩きドアを開ける。
「「………っ!」」
その張り詰めた空気を破ったのは1階からの大きな音だった。ドゴンと何か大きなものがぶつかったような音だ。
「お姉ちゃんっ!」
「……もも。ちょっと待っててね。下の様子を見てくるから」
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