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動揺の余り身動きも出来ずにじっとしてしまう。
左肩に乗っていた頭が離れ、さらさらした髪を掬い上げると、露になった首筋に唇の感触。
拒まなきゃって思うのに、拒めない。
ここが会社だと思うと余計にぞくぞくする。
ブラウスの襟を邪魔そうにずらし、見えるか見えないか微妙な位置で唇が止まる。
「……ぁ……ン……」
チクリとした痛みに我に返ると、そっと唇に口付けて離れていった。
反論するタイミングを奪われた。
「虫除け。浮気するなよ」
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