日曜日の六時半

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『じゃーんけん、ぽん。来週も見てね』 あ、今週は負けたなと心の中で思ってから、 私はリビングのソファから腰を上げた。 「カズオさん、今日はお鍋でいい?味何がいい?」 カズオさんは向かい側のソファで、横になったまま答えた。 「んー、塩ちゃんこ」 「鶏肉はももでいい?」 「んー」 「じゃあ、買い物行ってくるね」 「んー」 カズオさんはテレビのチャンネルを変えながら、画面から目を離そうとしなかった。 私は財布を持ち、上着を着て玄関に向かった。 これが、 いつもの私の日曜日の夜だ。
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