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室井樹の言う通り、
周りで読んでいる子は居ないし、おススメする事も出来なかった。
「あ、なんかすいません。いきなり話し掛けて」
「これ、良かったらあげるよ」
「へ?」
「あ、このままじゃ仕事場に持っていけないね」
室井樹は、自分の会社の封筒に本を入れ私に手渡した。
「え、あの。いいんですか?」
「いいよ、迷惑じゃなければ」
「迷惑なんてとんでもないです!」
大きな声が休憩所に響いて、
私は顔が赤くなるのを感じた。
「なら、良かった」
そう言って、彼は小さく笑った。
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