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違うよ和馬…
貴方の側にいる時間は罪悪感なんて消え失せてる。
和馬と翔太
どちらが足りないものを埋めるためだけの存在?
私はもう…
とっくに麻痺してる…。
窓ガラスから見上げる静かな夜空には、冬の星座であるオリオン座が明るく輝く。
煙草の匂いを運ぶ冷たい風を頬に感じながら、彼に気づかれぬよう小さなため息を漏らした。
「綾子、彼氏をしっかり掴まえておけよ」
和馬は煙草の火を消しながらぽつりと言った。
私は黙ったまま彼の横顔に視線を向ける。
「その女、おそらくこのままじゃ終わらないぞ」
「そうだね、それは警戒してる。それに私が翔太と別れたら今の関係を楽しめなくなるもんね」
精一杯の皮肉を込めた言葉と笑みを送る。
「アホ!お前がそんな女に振り回されるのが悔しいんだよ。大体!お前の彼氏が撒いた種だろうが」
「え?翔太が?…どうして?」
「誰にでも愛想振り撒いて、優しさの安売りするからそんな厄介な女が寄ってくるんだよ。だから前に言っただろ?誰にでも優しい人間は、本当は誰にも優しくなんて無いんだよ!」
和馬は呆れた様に鼻先で笑った。
「それは…そうなんだけど…でも翔太も苦しんでるし…人にはそれぞれ事情があるの!」
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