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…そう、
彼氏が苦しんでいる時に、私は何をしてるんだろう…。
…とことん矛盾してる。
やり場のない複雑な思いに口をつぐんた。
「へぇ~、事情ね。とにかく、二人で乗り越えてくれ。綾子、悪女になりきれよ。俺は観望してて、お前が弱音吐きそうになった時だけ思いっきり尻叩いてやるよ」
和馬は「ククッ」と悪戯混じりの笑みを浮かべる。
「和馬…性格悪いよ」
私は彼の肩をバシッと叩き、深くため息をついた。
…
そうだ…
ちゃんと翔太と向き合わなきゃ…
例えそこに偽りが存在するとしても、私の居場所は翔太なのだから…。
12月下旬。
私も翔太も、そして和馬も、変わらぬ忙しい日々を送っていた。
白石未来の実家での長期休暇により、翔太との間に感じていた距離は、少しずつ埋められているように思えていた。
そして私は…
限られた時間の中で、和馬と過ごす日々を重ねていた…。
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