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「綾子、忘年会は二次会も出るでしょ?その後、外科組で三次会やるんだけど来ない?」
日勤の帰り道、職員出入口で一緒になったミチルが声を弾ませる。
「えー、外科組―。知ってる人少ないから行かない」
「大丈夫!内科ドクターも合流するから」
「内科ドクター!うん!それにも興味ないから行かない」
「えぇ!綾子が行かないなんて、つまんない!つまんない!」
「だったら唯呼んだら?あいつ内科ドクターと仲良しじゃん」
「だって唯はその日、夜勤なんだもん!」
「あー、そうそうそうだった。ミチルちゃん残念!」
口を尖らせるミチルを見て笑い飛ばす。
「ねーねー、私が結城先生も誘うからー。ちょっと嬉しくない?」
ミチルは、私の顔を覗き込み、興味津々の目を向ける。
「結城先生ねー、新婚さんだし三次会まで参加しないんじゃない?二次会も行かないかもよ」
私は何食わぬ顔でミチルに笑みを見せる。
「そうかなぁ~、一応誘って見よっと。綾子も考えといてね、三次会」
「だから、私はパスって言ってんのに」
…ごめんミチル。
和馬も誘っても来ないよ。
忘年会の後は、二次会も出ずに私達二人で消えちゃうから。
…唯が夜勤で良かった。
はしゃぐ友人を横目に胸がチクリと痛む…。
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