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「まぁ、聞きたい気持ちは分かるけど。俺は別に、綾子と彼との間の事を知りたいなんて思わない」
それがお互い相手がいる者同士の【暗黙の了解】 【ルール】【マナー】…
…そう言われた気がして、黙ってうつ向いた。
「わざわざへこみたいならお前の質問に答えてもいいけど?」
和馬は私の横顔を見つめ、ふっと軽く笑った。
へこむか……そうだよね…。
…和馬の全てを知りたい。
…梨花さんとの関わりを知りたい。
それを知ってしまう事で、自分が苦しくなるのは分かってる。
返される言葉は私を気遣った嘘なのかも知れない。
それでも……。
「…分かった、指輪の事はもう聞かない。もう結婚生活とか梨花さんの事は何も聞かないから」
私は口元で笑顔を作り彼の目を見つめ返す。
「俺は聞かれた事には答える。ただ、聞いて辛くなるなら初めから聞くのはやめろって言いたいだけ。俺も本当に興味がある事なら聞くし。あ、そう言えばこの前変な女が彼氏に付きまとってて~とか言ってたな?お前の方は大丈夫なのか?」
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