第一幕 この世に在らざる者

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夕陽が差し込むリビング。 「ただいま」 誰も居ない部屋に言っても返事は無い。 あたしはそのまま自分の部屋がある2階に向かう。 しんと静まり返った家はあたしが歩く音だけが響く。 自分の部屋に荷物を置くと、制服から道着と袴に着替え、腰まである髪を頭の高い位置で括る。 「これでよしっ、と」 あたしの呟きは静かな部屋に溶けていった。
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