第一幕 この世に在らざる者

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その日の夜、お風呂の着替えを取りに自分の部屋に入っておかしい事に気づく。 あたしの部屋の窓からは道場が見える。 その道場から薄っすらと明かりが漏れていた。 あれ? 電気消し忘れてたっけ? おかしいなー?なんて思いながら部屋を出る。 道場の入り口まで来て、ふと中の様子がいつもと違う気がして足を止める。 自分の気配を殺して、様子を伺う。 微妙に人の気配? それにしても、気配が薄いような… あたしは一応持参していた竹刀の柄をぐっと握ると、勢い良く扉を開けた。 バァァーン!! じゃなくて、 ガラガラガラッ!! だけどね。 ??!! 誰っ?!とか叫んでやりたかったけど、言葉が出なかった。 そこには昔の人みたいな総髪に和服姿の男性が、正座してこちらを見つめてた。 しかも電気はちゃんと消えていて、光の正体はその人自体が発光してる光だった。
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