第1話

2/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「我は神なり!」 目の前に居るのは、どう見ても小汚ないおっさん。 第一印象はこの一言につきる。 「お前がワシの言う事聞かんでも、ワシは痛くも痒くもない。ワシのお告げを聞き入れんお前の勝手。お前の家族の命がなくなってもワシには関係ないことだ。」 クタクタの茶色のシャツにダボダボのジャージいつもこの服。 白髪まじりの髪の毛、靴下には穴。 清潔感ゼロ。 早口で言葉が聞き取りにくく、 顔のデカイ60歳後半のおっさん。 このおっさんを信じた事から僕の人生は狂っていった。 すみれの花生命保険会社に入社した僕は、研修も無事終え、地方の支社のとある支部で主任として勤務することになった。 同期生で主任として迎えられるのは僕だけだ。 出世コースか? 研修時に1日に10件の新規契約を取ってきた功績が認められたのかと僕は浮き足たっていた。 赴任初日、この支部で異様な光景を目にする。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!