闇に生きる者達

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2013年11月2日、冬。 真冬に近づく肌寒いこの季節に、生きる為、世の中の為にと寒さに耐えて働く者達が身体を動かしている。 もはや仕事を生きる手段としてではなく、使命として必死に働く者達がいる中、社会人として最低限の"仕事"をする事なく暖かい部屋の中でのうのうと過ごす若者が居た。 その名も佐藤 祐太。20歳。 苗字で一番多い佐藤という名を持つ彼は職に就くどころかバイトすら活動していない。フリーターではなく、いわゆるニートという存在である。 彼が何故、社会人という一般的な人間ではなく、一般的には底辺と言われるニートとなってしまったのかには理由があった。 それは高校2年の夏だった。 勉強が得意で、スポーツも人並み以上に出来、容姿も整っていた彼はクラスでも人気の男子だったのだが彼の性格は真面目過ぎたのだ。 ある日、自分よりも一つ上の先輩同志が戯れる大きな集団があったのだが、その集団は後輩などから金を巻き上げ、脅していくいわゆる不良集団だった。 誰もがその集団を避けていく一方で、虐められてる一つ下の後輩が罠をはめられ、集団のバイクを傷つけたと嘘の噂を流され、学校中の不良に目をつけられてしまった。
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