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あっと声をあげる暇もなくいつのまにか体勢を変えられ、彼に組み敷かれる形となった。
「俺といる時は携帯禁止」
意地の悪そうな笑みを浮かべて、唇を奪われる。
頭を撫でられてたと思ったら、次第に手は下におりてきて、頬を撫でる。
その間もキスは止まない。
「ね、もっかいシよ」
と、蕩けるような笑顔で言われてしまえば断れるはずがない。
後は愛しい彼の腕の中で、ただひたすら快楽に溺れるだけだ。
「鴇夜っ(ときや)」
彼の名を呼べば、キスを一つ落としてくれる。
「珠月(みつき)」
彼の口から紡がれる自身の名を聞くたびに、どうしてか胸が痛い程に締め付けられる。
それを隠すように私は彼の首にそっと腕をまわした。
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