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夏の終わり。
私、火乃本珠月(ひのもとみつき)は私立柳灯(りゅうとう)大学に通う大学三年生。
生命化学科という理系に属しているため、実験だの研究だので忙しい毎日を送っている。
鴇夜と分かれて家に着いたのは昼過ぎのこと。
朝ごはんを適当にファーストフードで済ませ彼は実験があるからと、大学へ向かう為駅で別れた。
電車に揺られながら思い出すのは彼の温もり。
家に帰って誰もいない部屋に向かってただいまと呟く。
大きくはない一軒家。
家族は両親と兄が一人。兄は既に社会人になり家を出ている。
両親は共働き。
だから昼間家にいることは少ない。
二階に上がると部屋が二つ。
兄の部屋と私の部屋。
今はいない兄の部屋は既に父親の仕事場になっている。
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