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いい香りにそそられスプーンを持って食べ始めようとすると、
「……やっぱり別の物持って来るよ。失敗した」
とアシュトンはお盆ごと引き下げた。未佐の手にはスプーンだけが残される。
「え? どういうことですか?」
「いやだって見た目変だし」
「まさかこれ、アシュトンが作ったんですか?」
アシュトンは目を逸らす。
「いや、その……まあそうなんだけど」
「すごい」
「でもこういうのは初めて作ったんだ。多分美味しくない」
「食べてみないと分からないですよ」
こんなにいい匂いがするのだ。不味いわけがない。
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