第1話

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 放課後を知らせる予鈴が聞こえる。多分五時位であろう。さて、今日は何日の何曜日だったか。そんな事を考えるくらい平和であった。 「おーい。透火ー。起きてるかー?」 ふと気がつくと友人が呼んでいる。 「やっと気付いたか。ほんとよく寝るよなお前」 こいつは縁。恐らく、付き合いが一番長い友人である。 『別に寝てねぇよ。ちょっと考えてた』 「考えてた?何を?」 『何をって、色々だよ』 「ふーん、よくわかんねぇや。とりあえず帰ろうぜ」 『ん、あぁ』 荷物を持ち席を立つ。教室を出て階段を降り、昇降口へ。そこで下足に履き替えて学校を出た。 「なあ、この後暇?」 『別に。何かあんの?』 「一狩り行かねえ?このまま帰っても暇なんだよな」 『またそれか。まあ、いいけど』 「マジ?サンキュー!」 この一狩りとは、最近発売された人気ゲーム〈螺旋剣舞〉の事である。 俺達は二人で買って二人で攻略するという方法をとっていた。 「場所どうする?」 『うちくる?今誰も居ないし』 「なんかあったの?」 『仕事。しばらく戻ってこないらしい。ったく、子供置いて二人で行くなんて……』 「大変だな。お前も」 『まあな。でも慣れたよ。いざとなればお前も居るし』 「俺を頼りにする気か?」 『おう。っと、着いたぜ』 なんだかんだ話しているうちに家に着いた。もうヘトヘトである。 じゃあ何で歩くかって?行きは歩きが楽なんだよ。 「大丈夫か?」 『あー……ちょっと休めば……縁、ジュース持ってきて……』 「ここお前んちだろ!?」 『細かい事は気にすんなよ……モテねぇぞ……』 「うるせぇぞチビ」 『んだとコラァ!』 「じゃあ今年のバレンタインチョコ何個だ!?」 『47個!』 「そこから家族、友達、男から貰ったのを引け」 『32個!お前何個だよ!』 「56個ー!過去最高記録ー!」 『はぁ!?嘘だろ!?』 56個!?遥かに遠い数字! 「隣のクラスの女子がすげぇんだよ!この学校のランキングつけててさ!」 『お前何位!?』 「1位!(389人中)」 『マジで!?俺はどうなの!?』 「9位……かっこよさランキングならな」 『もうちょっと……!……って、かっこよさ?他あんの?』 「かわいさ……いわゆる男の娘ってやつ」 男の娘……ランクインしたくないな…… 「ちなみに俺は165位だった。お前は……」 『俺は……?』
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