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…今日は嫌な日。
私の平穏なこの時間を妨害された。
雨は憂鬱な気分になるって言う人が多いけれど、私はバスに揺られてる時間がなんだか落ち着く。
折角のそんなひと時だと言うのに、今時バス内で痴漢なんて
ないとばかり思ってた。
と言っても痴漢されているのは私ではない。
痴漢されている子の顔は見えないけど、見て見ぬふりはできない。
私はお尻のあたりをまさぐっていた手をがっしりと掴み、
「痴漢」
と本人に囁いた。
まだ周りの人は気づいていない。
「は、離してくれ頼む」
小声で返してくるのは一見真面目そうな小太りのサラリーマンだった。
「ダメですよ、私ちゃんと見ましたから」
…しかし被害にあった子はどこ?
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