⊿面倒事は突然に……

2/6
前へ
/20ページ
次へ
『──んじゃそういうことで。詳細は任せるからな! よろしく。我が親友よ!』 「ちょっと、おいっ!」  そんな叫びもすでに遅し……。通話の途切れたスマホを睨んで、柚木貫次(ユノキカンジ)はため息ひとつ。  表示されてる“如月陽司(キサラギヨウジ)”に触れかけて、やっぱり諦める。  だって、通話終了と同時に電源落としてるか、着信拒否してるのは間違いないもの。  親友だなんて思ったことない相手だが、そのくらいは分かるんだ。 「で? どうしたのよ?」 「ああ、陽司のヤツがな……」  自分に対する問いに普通に応えかけて、ふと貫次の眉間にしわが寄る。 「なんでお前がここにいるんだよ……」  “ここ”とはすなわち貫次の自宅だ。  んで、“お前”ってのは長篠友美(ナガシノトモミ)その人。  ちなみにふたりは恋人同士でもなきゃ、家に招待するほど仲良くもない。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加